水子供養は必要なのか
結論から申し上げますと、水子供養は必要です。
よく言われるのが「水子のたたり」を恐れ、供養は絶対に必要だという意見です。しかし、仏教の考え方では水子のたたりは存在しません。水子は「お祓い」をしたり「忌み嫌うもの」では決してありません。水子と親御さん自身が安らかに過ごせるようになるために必要なのが水子供養です。
水子とは出産期を待たずに自然または人工的に流産した胎児のことです。現在、比較的多いのは中絶による水子です。しかしどんな理由であれ、一つの大切な命が消えてしまったことに変わりはありません。やむを得ない事情があったにせよ、そのまま放置することは決してよくはありません。
お子様を失った悲しみは母親や父親にとってとても苦しくつらいものですが、それはご両親だけに限りません。亡くなった子どもも同じように苦しんでいるのです。水子となった子どもの霊をお地蔵様のもとで安らかに過ごせるよう供養してあげてください。それが亡くなったわが子に、親としてできることではないでしょうか。
慈悲深きお地蔵さまはどんな願望も満たしてくれます
水子供養を執り行う段階では、まだ深い悲しみの中で、もがいていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。悲しいことに流産や死産された方も、事情があって中絶された方も、心の痛みは同じでしょう。明るく前向きに新しい未来へ一歩踏み出すために、水子の幸せを願い、気持ちを込めて供養をしてあげてください。
水子のお地蔵さまは子どもが大好きです。苦しみの世界にいる水子を、優しく衣の袖で包み込み、仏の世界へ導いてくださります。宗教・宗派・宗旨は問いません。安心してご相談ください。
そして、供養とは思い出すこと。子どもとの絆は決して消すことはできません。事実を忘れることなく供養し続けてあげてください。供養し続けることが仏様を救い、さらには水子自らが家族を守ってくれる一番の仏様となってくださることでしょう。お寺にお布施を払っての供養は一度限りで結構です。その後は、水子のお地蔵さまに月に一度お参りして思い出してあげてください。